2013年6月24日月曜日

第19回ビジネス法務クイズ 第28回3級 第8問解答

2011年12月(第30回)、2012年 6月( 第31回)、 2012年12月(第32回)の過去問は、
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=以下、ビジネス実務法務検定第28回3級(2011年12月)第8問の解答です。===



受講生の「M.A.」さんの解説です。>>

8問 (10点)
次の事項のうち、その内容が正しいものにはを、誤っているのものにはを、解答用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。


ア.他人がすでに登録を受けている商標と同一の商標については、商標権の設定登録を受けることはできないが、他人がすでに登録を受けている商標と類似する商標については、自由に商標権の設定を受けることができる。

《解答》    ②誤り
《解説》商標とは、自己の商品・役務と他社の商品・役務を識別するために使用するマークです。具体的には、文字・図形・記号もしくは立体的形状もしくはこれらの結合またはこれらと色彩との結合です。識別力を示すことが商標の要件であり、他人が既に登録している商標と同一、または類似の商標も登録することは出来ません。
 尚、商標は願書に登録を受けたい商標を記載すると共に商品・役務を指定して特許庁に出願し、一定の審査手続きを経て設定登録されるものです。


イ.日本の裁判においては審級制度が採用されており、第一審の判決に不服がある当事者が上級の裁判所に再審査を求めることを控訴という。

《解答》    ①正しい
《解説》裁判所には、最高裁判所、高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所の5つがあります。それぞれの裁判所は、管轄する事件の種類が定まっており、階層をなしています。
例:刑事事件は地方裁判所⇒高等裁判所⇒最高裁判所、家事事件は家庭裁判所⇒高等裁判所⇒最高裁判所など
ある事件について不服がある時により上級の裁判所に対して審議を求めることが出来、これを上訴と言います。上訴には「控訴」と「上告」があり、控訴は第一審に不服がある当事者が上級の裁判所に再審査を求めることであり、上告は第二審(控訴審)に不服があるものがさらに上級の裁判所に再審査を求めることです。


ウ.事業主が、労働者の募集または採用にあたり、合理的な理由がないのに、労働者の身長や体重が一定以上であること、または一定以上の体力を有することを選考基準とすることは、性別を理由とする差別ではないので、男女雇用機会均等法に違反しない。

《解答》    ②誤り
《解説》男女雇用機会均等法では、間接差別を禁止しています。具体的には、労働者の性別以外の要件を事由としながら、実質的に性別を理由とする差別となる一定の措置があることです。
厚生労働省令では次の3種類について間接差別として禁止しています。
1:労働者の募集採用にあたり、労働者の身長、体重、または体力を要件とすること
2:いわいる総合職の募集にあたり、転居を伴う転勤に応じることが出来ることを要件とすること
3:労働者の昇進にあたり、転勤の経験があることを要件とすること


エ.民法上、賃貸借契約における賃借人は、善良な管理者の注意をもって目的物を使用収益する義務を負う。

《解答》    ①正しい
《解説》民法400条に規定されています。このことを善管注意義務と言います。

オ.株式会社においてはその商号を定め登記をしなければならないが、どのような商号にするかは原則として自由であり、商号の中に「株式会社」と表示する必要はない。

《解答》    ②誤り
《解説》商号は自由ですが、会社の場合は商号の中に必ずその会社の種類を表す文字(株式会社・合名会社・合資会社・合同会社)を用いなければなりません。逆に、会社でないものは、その名称又は商号の中に会社であることを示す文字を用いてはなりません(会社法7条)。

カ.割賦販売業者が、購入者との間で、割賦販売法上の割賦販売に該当する契約を締結した。この場合、当該割賦販売業者は購入者に対して、所定の事項について当該契約内容を明示しなければならないが、この明示は口頭で行えば足り、書面の交付等による必要はない。

《解答》    ②誤り
《解説》割賦販売法3条1項によると、この割賦販売条件は、販売前でも営業所などにおいて見やすい方法により掲示するか、書面により提示しなくてはなりません。契約時には書面を交付しなくてはなりません。

キ.銀行の担当役員が事実上破綻状態にある取引先に、十分な担保をとらずに融資をすると、当該役員は民事責任だけでなく刑事責任も問われる可能性がある。
《解答》    ①正しい
《解説》これは不良貸付にあたります。これは金融機関の融資担当役員などが、回収の困難や損害の発生が常識的に予想されるにも関わらず、十分な担保も取らずに融資を実行することです、この結果、貸付債権が回収できず会社に損害を与えた場合、担当役員は特別背任罪(会社法960条)に問われる恐れがあります。

ク.夫婦間において夫婦財産契約が締結されていない場合、夫婦の一方が婚姻前から有する財産は、その者の特有財産となる。
《解答》    ①正しい
《解説》民法7621項で定められています。尚、夫婦いずれの所有に属するかが明らかでない財産はその共有に属するものと推定されます。

ケ.仮登記担保上、仮登記担保権者は、裁判所の競売手続によらなければ、仮登記担保権を実行することはできない。
《解答》    ②誤り
《解説》仮担保登記には競売手続きを踏まなくても良いという効用があります。

コ.民法上、消費貸借契約は、当事者の合意のほかに物の引き渡しがなければ成立しない要物契約とされる。
《解答》    ①正しい
《解説》消費賃借は、当事者の一方が種類、品質および数量の同じものを返還することを約束して、相手方から金銭その他の物を受け取ることによって効力が生じる契約を良い。物の引き渡しが発生する要物契約に分類される。

尚、対立概念として合意のみで成立する諾成契約と分けて認識する必要がある。

 
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